2016年をふりかえるシリーズ。寺社フェス「向源」とのコラボイベントが実現したのも2016年でした。除夜の鐘をききつつ、ふりかえりましょう。
【寺社フェス「向源」との出会い】
2015年5月に増上寺で開催された「向源2015」というイベント(Deep増上寺ツアーやトークショーなど)に一般客として参加しました。寺社フェス向源とは、宗派や宗教を超えて、神道や仏教などを含めたさまざまな日本の伝統文化を体験できるイベント。
そもそも「向源」を知ったのは、向源副代表/浅草・緑泉寺の青江覚峰(あおえかくほう)住職を、共通の友人であり仕事仲間である畑谷芳樹さん(Biotops/浅草・おと)を通して知り合ったのがきっかけです。
その後、青江住職から向源の取り組む活動について、お話を聞き、お互いの活動の情報交換がはじまりました。
向源xクウジットのコラボを具体的に考えはじめるようになっていったのには、いくつか理由がありました。
- 「空」と「実」をつなぐクウジット”のコンセプトは、般若心経の一節「色即是空 空即是色」からも由来しており、いつか仏教界とコラボしたいと考えていた。(クウジットの社名の由来は、こちら)
- 向源2016は、寺社から飛び出て、日本橋界隈の街での活動にチャレンジすると伺い、「街での ヒト・モノ・コトを おもしろく!」をキャッチフレーズに活動するクウジットとしては、まさにコラボスタートする絶好のタイミングであろうと考えた。
- 芝大門・増上寺は、クウジットオフィスから散歩できるくらいの身近なランドマーク的存在であり、地元のお寺、大増上寺にて、イベント参画に関わり、ワークショップを開催できるのは光栄なことである。
そんな背景で、寺社フェス「向源」とのおつきあいがはじまりました。
【向源x慶應SDMxクウジットをつないだ 浅草・おと会談】
青江住職と、向源xクウジットで、お互いの興味と強みを持ち寄り、何ができるかを議論していく過程では、やはりさまざまなアイデアが生まれました。アイディエーションの場所は、決まって、浅草おと。畑谷さんのお出汁と日本酒のお店です。青江住職は、1週間に何度もここに訪れるくらいの常連なのです。
向源イベントは、100を超える公演やワークショップなど体験型コンテンツの集合体。たとえば、それらの施策での盛り上がりや笑顔計測してみるのはどうだろう?とか、今年は日本橋の街に出るのだから、人の流れ・混雑度を計測して可視化してみようとか、回遊促進や混雑回避のためのアプリを作ってみてはなどといった具合です。数あるクウジットの活動の中で、青江住職が、「これがいい!」と指名してくれたのが、慶應SDMxクウジットの共同研究活動であるエミーとゼニーのおカネに関するワークショップでした。青江住職は、MBAホルダーでもあり、エミーとゼニー的資質を最大限のバランスで持っているであろう方。「お寺」と「おカネ」の組み合わせによる教育的効果のみならず語感的なマーケティング効果や、そしてなにより向源でも「ありがとう」に関する恩送りの施策について何かやりたいよね。と、これまでも話に出ていたそうなのです。
そして、2015年2月9日、慶應SDM 保井先生と青江住職を浅草おとにて、お引き合わする会を実施しました。お2方ともそれぞれご自身が主催するワークショップや授業、セミナー等での講師講演でも各地を飛び回っており、共通の友人・知人も多く、話もはずみました。また、同席の向源2016事務局長の横川さん、デザイン企画の畑谷さん、みなそれぞれに特有のバックグラウンドとスキル、濃いキャラを持つメンバーで、意気投合してのスタートとなりました。
向源2016@増上寺での体験コンテンツとして実施可能か否か判断するために、まずは青江住職の浅草・緑泉寺にて向源関係者も体験してもらうために、エミー/ゼニーのおカネワークショップを実施しましょう!とあいなりました。お寺での開催バージョンを「お寺でおカネ」ワークショップと命名、向源2016の体験コンテンツとして正式決定して、実際に作りこんでいくには、ぎりぎりのタイミングでした。このあと、慶應SDMxクウジットの「人を幸せにするおカネ」を感じるワークショップ共同研究に、畑谷さん/坂田さん(Biotops)、本條さん(ソニーCSL)らにも参画いただき、おもに企画デザイン、運営面が加速されていきます。また、向源スタッフの数土さんは、1月に開催された慶應SDMのおカネWSに参加してくれていたことを知り、向源、おカネWSの双方を知って調整つないでくれる役として、たいへん助けられました。ありがとうございます。(慶應SDMxクウジットの共同研究については、こちらのエントリに譲ります。)
そして、3月7日浅草・緑泉寺での「お寺でおカネ」ワークショップを開催、関係者、参加者からの好評を得て、5月5日増上寺での開催も正式決定。いよいよ念願の増上寺ワークショップへ向けて、いよいよ開催する運びとなりました。
浅草・緑泉寺でのワークショップ開催の様子は、こちら
果たして、向源コラボと慶応SDM共同研究活動は、こうして、つながるべくしてつながった!のか、はたまた、無理やりつなげたのかは定かではありませんが、新しいことはじめるときは、まずは感じるままに、動いてアクション!そしてデザイン!and レビュー!そんな感じですね♪
■ 5/5 向源xクウジット「お寺でおカネ」コラボワークショップ開催!
「向源2016」では、100を超える体験コンテンツが集まりました。
そして、「お寺でおカネ」ワークショップは、その中の1つ、5/5 最終日、増上寺会館で実施する企画となりました。
「お寺でおカネ」@増上寺ワークショップの様子、「人を幸せにするおカネ」を感じるワークショップの様子については、「慶應SDMxクウジット共同研究ふりかえり(その2)」エントリもご参照ください。
■ ふりかえり
12月5日、浅草・緑泉寺で、「向源2016」イベント実施報告会が関係者向けに開催されました。ワークショップ開催後、ことあるごとに、中間報告は受けてましたが、正式に向源2016イベント全体のふりかえり、そして、向源2017へ向けての展望が語られました。
その場にて、「お寺でおカネ」ワークショップについても、青江副代表よりコメントいただきました。「お寺でおカネ」は、参加者にも、また、お寺関係者の方々にもたいへん好評いただき、向源2016にとっても、一緒に作り上げていくタイプのワークショップとして、チャレンジングな試みだったようです。
「向源2016」実施報告書(向源2016実行委員発行)内の「お寺でおカネ」部分について抜粋共有いたします。
上記、報告書内にも、参加者の感想がありますが、その他についても、いくつか実際のワークショップ参加者の声を紹介いたします。
- 社会の仕組みを変えることで人間の行動パターンをかくも変えるのかと思いました。(30代 男性 公務員)
- ありがとう最大化という考え方は、ゼニーの最大化と両立する気がする。ゼニー、エミーの両方のセッションができて楽しかった。普段の生活の中でゼニーとエミーの両方の視点を意識していきたい。(40代 男性 会社員)
- お金とちがって、無制限のエミーは手放して与えないと意味がないので、しだいに疲れてきた。”ありがとう”の安売りもありがたくないものだとわかった。感謝は貯められない。じっとしていてお金を生むこともあるが、人に感謝されるには自ら動くことが大切。この両者が共存するとなかなか良いと思う。(女性 会社経営)
- EmmyとZenyは、バラバラに循環するものではなく、両方が両輪で循環することが大事だと感じた。
「向源2017」の展望については、友光代表から語られました。2016年が寺社フェス「向源」が、寺社から街(日本橋界隈を中心に)に出た飛躍の年であった。2017年は、それを踏襲して着実のものとする。とのことで、2020年さらにその後を見据えたビジョンが語られました。詳しくは、「向源」公式サイト等にて、ご参照ください。2017年のボランティアスタッフ募集もはじまっているようですよ。
さて、向源xクウジットコラボPJをスタートした2016年。3月に「お寺でおカネ」ワークショップ@緑泉寺、5月に「お寺でおカネ」ワークショップ@増上寺を実施しました。実は、その後も、10月に向源xエスケープハントxクウジットとして「お寺で脱出ゲーム」を、やはり青江住職を起点にチームづくりをして、浅草・緑泉寺にて実験的に実施しました。(そのときの様子は、こちら。プレス発表会の様子、終了報告)これらのコラボPJの成果や経験は、2017年以降、どのようにつながっていくのか、まだまだ未知数ですが、今後とも楽しみな展開です。その話はまた後日のふりかえりにて。(つづく)
PS.
12/5 報告回イベントでは、向源2016で大人気だった2つのワークショップ(創香家・香司の今井麻美子さん講師による「和の香り作り/匂い袋」、そして、デジタル復元師の小林泰三さん講師による「賞道(しょうどう)/国宝をべたべたさわろう」)に特別に参加させていただきました。ありがとうございました! どちらも、たいへんおもしろい体験で、刺激的。特に、自分ならではの和の香りを作る体験では、私は「”空”と”実”をつないで、Love & Peace な香り」と無理難題を依頼し、つくってもらいました。名刺入れやお財布に挟んでます。私と名刺やおカネやりとりしたら、匂いをかいでみてくださいね!(笑)
sueman
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