「エミーとゼニーの金融論 in 新虎小屋」地方学生支援ドネーション運用の収支報告

エミー&ゼニー研究会の末吉です。
2015年度から慶應SDM研究員の活動をしています。現在、クウジットでは、慶應SDMの保井俊之先生、前野隆司先生らとともに、「人を幸せにするおカネを創る」共同研究(通称、エミー&ゼニー研究)を行っています。

2018年7月より、江上広行さん(URUU)らとともに同研究活動の一環として、東京・虎ノ門にある街のにぎわい施設「新虎小屋」にて、「エミーとゼニーの金融論 in 新虎小屋」という対話会イベントを月一回のペースで企画運営をはじめました。そして、本イベント2018年9月14日開催の回から、恩送りのおカネの実証実験として、地方学生を招待するための交通費支援を目的としたドネーション(寄付)を、イベント参加者の方々に募ってきました。今回、2019年4月12日に開催された回にて、はじめて「地方学生招待チケット」が使われましたので、下記の通り、これまでのドネーションの収支報告(中間)をいたします。

本イベントにご参加いただき、ドネーションにご協力いただいた方々、そしてゲスト登壇いただいた方々、企画運営ご協力いただいた方々、イベントや本研究活動にご参加、ご支援いただいたすべての方々に、ここにあらためて感謝いたします。今後、さらに運用方法をレビュー、ブラッシュアップしつつ、収支報告していきければと考えています。

2019年4月12日開催の回にて、長野県立大学から2名、山梨英和大学から2人の学生たちが地方学生招待チケットを利用し参加してくれた。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

(以下、補足情報、参考情報まで)

■「エミーとゼニーの金融論 in 新虎小屋」開催実績とゲスト登壇の方々:

SEASON1
#1 2018年7月13日(金) キックオフ
#2 2018年8月10日(金) 新田 信行さん 第一勧業信用組合 理事長
#3 2018年9月14日(金) 由佐 美加子さん 合同会社CCC パートナー
#4 2018年10月12日(金) 家入 一真さん CAMPFIRE 代表取締役
#5 2018年11月9日(金) 青江 覚峰さん 浄土真宗東本願寺派 湯島山緑泉寺住職
#6 2018年12月14日(金) 木村 真樹さん コミュニティ・ユース・バンクmomo 創業者

SEASON2
#1 2019年2月8日(金) 柴田雄一郎さん 一般社団法人 i-ba 代表理事
#2 2019年3月8日(金) AZUMI PIANOさん ピアニスト
#3 2019年4月12日(金) 阿部喨一さん  PEACE COIN OÜ Founder/CEO

次回予定:
#4 2019年5月17日(金)前野隆司さん 慶應SDM教授(予定)

■ 地方学生招待チケットの運用について
本イベントに関心がある地方の学生(※)に限り、本イベントの参加費を無料とし、さらに本イベント会場までの1万円以内の交通費実費分を補助する支援チケット(peatix上)として運用しています。希望する学生は、「学生招待チケット」を選択して申し込み、対話会イベント当日の受付にて清算しています。
※東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県を除く地域に在住されている高校生、大学生、専門学校生を対象とします。

■ 「エミーとゼニーの金融論 in 新虎小屋」とは?

あなたにとって、お金とはどんな意味を持っているものですか?

あなたの家族、あなたが属するコミュニティ、あなたが勤めいている会社、そして日本国にとって、人類にとって、お金とはどんな意味を持っているものでしょうか?
今日、お金の起源について経済活動を効率化するための物々交換の代替から生まれたという定説が覆えされつつあります。21世紀になった貨幣論では、お金とは人々が協調的行動をとるための「信用のシンボル」として登場したといわれています。そして、お金をもらったり、誰かに贈与したりすることには、その人々の意図をこめたストーリーがあったのです。
だとしたら、今の社会で、私たちがやりとりしているお金は本来の機能のようには働いていなさそうです。お金が、格差の拡大を助長したり、コミュニティを分断したり、本来の人格から切り離したりしている道具のようにもみえます。
お金には2つの顔があります。利益を極大化させる目的で使われるお金、そして、笑顔で人々を繋いで感謝を極大化するお金です。
我々はそれぞれに対して「ゼニー」そして「エミー」という名前をつけてみました。

お金には2つの顔があります。利益を極大化させる目的で使われるお金、そして、笑顔で人々を繋いで感謝を極大化するお金です。私たちは、それぞれに対して「ゼニー」そして「エミー」という名前をつけてみました。

「What’s Money? エミーとゼニーの金融論」では、お金とは何かについて、そして、私たちが未来に向かってお金にどんな意図を持ったストーリーを創っていくかについて、多様なゲストとともに対話して参ります。

■ エミー&ゼニーワークショップについて:
 
こちらをご参照ください。
■ エミー&ゼニー研究 学術的活動について:
 
2018年 Toshiyuki Yasui, Takahiro Sueyoshi, Nasa Asukai, Hiroshi Iwanami, Mami Yamakawa, Yoshiki Hataya, Yuri Sakata, Hiroyuki Egami, Yoko Honjo, Takeshi Shibuya and Takashi Maeno (2018), ‘Designing Learning Workshop to Increase Subjective Well-Being Based Upon Two Contrastive Action Principles with Money: Profit-Maximization, Appreciation-Maximization and Their Balance’, 9th European Conference on Positive Psychology (ECPP2018), June 27-30 2018, Budapest, Hungary.
 
2018年 研究論文集「地域活性研究」Vol.9(2018年4月発行):「地域経済をめぐる二つの対立的貨幣観をテーマにした 協創型ビジネスゲームにおける地域住民の内的活力の分析: ― 主観的幸福の4 因子モデルによる定量評価を通じて ―」
末吉隆彦(クウジット株式会社), 保井俊之(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科), 飛鳥井正道(クウジット株式会社), 江上広行(株式会社電通国際情報サービス), 本條陽子(株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所), 前野隆司(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科)
 
2017年 Yasui, T., Sueyoshi, T., Asukai, M., Iwanami, H., Yamakawa, M., Hataya, Y., Sakata, Y., Shibuya, T., Egami, E., Honjo, Y., Maeno, T. (2017), ‘Comparative Study on Changes of Subjective Well-beings in Two Constractive Money-Games: Emotions and Impacts by Profit-oriented or Appreciation-oriented Motives’, Fifth World Congress on Positive Psychology, Palais des Congrès de Montréal, Mintréal, Québec, Canada.
 
2017年 【エミー・ゼニーのワークショップの研究】保井俊之,末吉隆彦,飛鳥井正道,岩波宏,山川麻美,前野隆司,ありがとう最大化ともうけ最大化の対話原理の比較研究(第1報)―協創型ビジネスゲームにおける幸福度・ポジティブ/ネガティブ感情・人のふるまいの関係解析―,支援対話研究,第4号,2017年3月,pp. 17-38