クウジットで働くことは幸せなのか!?(その2):健康経営の観点から

前回は幸福学の観点から「クウジットで働くことは幸せなのか!?」を検討してみました。
今回は「健康経営」の観点から検討してみたいと思います。

みなさんは健康経営をご存知でしょうか?
従業員を健康にすれば企業の生産性が上がるから、従業員の健康管理や健康づくりの推進を行えば良い、と思われているでしょうか?

弊社は特定非営利活動法人健康経営研究会株式会社ビゼルと協力して、「健康経営xCALC 健康経営実践支援サービス」を提供しています。
「健康経営xCALC 健康経営実践支援サービス」では、企業の従業員の健診データやアンケートなどのデータから、健康経営の指標を計算するとともに、大規模データ解析技術「CALC」を用いて、これらの指標を改善するための客観的な指針を与えます。


健康経営活き生きチェック・スコアシート

さて、まず「健康経営」について簡単に説明したいと思います。
健康経営研究会では、「健康経営」を以下のように定義しています。

「従業員の健康づくりを経営戦略として位置付け、経営者の指導力の下、従業員を顧客とする健康づくり事業を実施し、従業員の心身の健康の確保を図ることで労働生産性を高めること。また、企業経営においては、従業員の健康づくりをコストとしてみるのではなく、投資として事業展開する。健康投資、すなわち従業員の健康づくりに先行投資することで労働生産性の向上を図るとともに企業成長を促し、企業経営と従業員の健康を両立させる経営手法。」

具体的に何をすれば良いのでしょうか?
我々は健康経営のための4つの指標を提案しています。
それらは「カラダ」、「ココロ」、「コンフォート」、「コミュニケーション」です。
「カラダ」は健康管理と関連が深いです。
カラダに関するデータから「活き生き年齢」が計算され、カラダが実際の年齢と比較してどれくらい若いかを示す指標です。
「ココロ」はストレスチェックのように心の問題でどれくらい生産性が下がっているかを示す指標ではありません。
従業員の幸福が生産性の向上に関係していると考え、アンケートのデータから計算された従業員の幸福度の指標です。
「コンフォート」は従業員の働く環境がどれくらい働きやすいかを示す指標です。
最後に「コミュニケーション」は従業員を取り巻く企業の上司・部下・同僚などの人間関係がどれくらいコミュニケーションをしやすいかを示す指標です。

さて、弊社の従業員に協力してもらい、健康経営の指標を計算する簡易版のアンケートを実施しました。
カラダ、ココロ、コンフォート、コミュニケーションの平均値が下記です。(いずれも値は0.0~1.0に正規化されています)

  • カラダ:0.69
  • ココロ:0.61
  • コンフォート:0.78
  • コミュニケーション:0.86

これらの数値は良いのでしょうか?、悪いのでしょうか?

ココロに関しては、日本で測定されたいくつかの値があるものの、母集団によってかなり異なり、0.4~0.6が平均値です。
これまでに行った企業の平均値も同様で、弊社は平均かちょっと高めぐらいです。
カラダに関しては、数値の元になっている活き生き年齢が実年齢よりも3.86歳若く、予想したよりも高い値でした。
コンフォートに関しては、これまでに行った企業の平均値と比較すると高いです。
コミュニケーションに関しては、これまでに行った企業の平均値と比較するとかなり高いです。


船モデルで表現した弊社の健康経営
(数値は0.0~5.0に正規化)

弊社はコンフォートとコミュニケーションという働くための環境は素晴らしいと言えます。
コンフォートとコミュニケーションがこれだけ高いのに、幸せ(ココロ)が平均ぐらいってどういうことでしょうか?(という素朴な質問は心にしまっておきます)
みなさんの会社ではカラダ、ココロ、コンフォート、コミュニケーションはどのぐらいの値だと思いますか?
弊社より良い会社だと思われる方は挑戦してみてください!

※弊社では、2015年度より慶應SDMの前野隆司先生、保井俊之先生らと幸福に関連した共同研究活動を継続するとともに、幸福に関連する技術やサービスを提供しています。

PS.
実は年初に弊社の従業員が事故により亡くなるという悲しいことがありました。
彼が弊社で幸せに働けていたら良いなと思っています。

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1983年キヤノン株式会社入社。エキスパートシステムなど人工知能の研究開発。1990年株式会社ソニー木原研究所入社。CG・VR・AR・感情認識の研究開発、およびメディアアートへの応用。2000年ソニー株式会社転籍。Feelwareプロジェクトなどで、感情認識やウェアラブル・バイオセンシングの研究開発。2010年クウジット株式会社入社。「つながり」に関するリサーチからセールスまでがミッション。人と人のつながりによる共感や幸福の評価、データとデータのつながりを解明するデータ解析などが仕事です。幸福学とデータ解析を結び付けた健康経営の実践支援サービスにも関わっています。