使ったマスクはいねぇが~!!マスクなまはげ奮闘記

序章:マスクを消毒するよ

こんにちは。
昨年、クウジットに入社した竹松です。

皆様いかがお過ごしでしょうか。

世の中はコロナ禍、生活様式が大きく変化しました。
クウジットにおいても今年の3月から在宅勤務に切り替わりはや7か月。

外出時にはマスクが必須になった一方、その機会はめっきり減ったばかりか、ちょっとコンビニに買い出しして帰ってくるようなケースが多く、そのたびにマスクを捨てたり洗ったりするのは面倒だしもったいないなぁと思うようになりました。

滅菌(滅ウイルス?)には紫外線(とくにUVC)が良いということは小耳にはさんでおりましたので、AmazonでUVC蛍光灯を2本購入し、段ボール両面に貼り付けて、簡易マスククリーナーを作ってみました。

これが試作1号機「おひさまのかおり」です。

え?ネーミング?
マスクを紫外線で消毒すると、洗濯物をお日様の下で干したときのあの匂いがするんですよ。
なので、このようなネーミングにしました。

今決めたんですけどね。

それ以来、我が家ではこの試作機が大活躍しているのですが、一つ重大な欠点がありました。

電源ON/OFFが手動なので、ほんとにしょっちゅうOFFにするのを忘れるのです。

スイッチをONにする→仕事(or家事)に戻る→OFFするの忘れる。。。

コントか!?というくらい繰り返し忘れるので、キッチンタイマーをセットする運用に変更しました。

キッチンタイマー

一件落着かと思ったのですが、人間本当にだらしないもので、キッチンタイマーの運用も面倒だなと思うようになってきました。。。
しかし、タイマー付きのコンセントを追加で買うのはなんだか癪である。

と、そのとき、どこからか声が消えてきたのです!

「(聞こえますか…今あなたの脳に直接語り掛けています…リビングの片隅に眠っている、使われなくなったITガジェット達…あの子たちを救うのです…)」

・・・そうか、せっかくだから使われなくなったスマホなどを活用して自動化してみよう。

というわけで前置きがとてもながくなりましたが、ようやく本題です。

第一章:家に眠っているアイテムを活用して、段ボール消毒装置を自動化するぞ!

今回の試みは、我が家に眠っている素晴らしいガジェット達を活用して、段ボール消毒装置をいかに手っ取り早く自動化するかという試みです。

用意したのは以下の3品です。
おそらく皆さんのお家に何個も転がっているはずの身近なアイテムばかりを取り揃えました。

利用するアイテム、それぞれの出自、今回の役割

  1. スマホ
    • 出自:壊れていないのに、ご主人様の移り気により使われなくなった哀れなスマホ
    • 役割:段ボール扉開け閉めの検知を行い、紫外線蛍光灯On/Offのトリガーを発する
  2. サーバー
    • 出自:壊れていないのに、ご主人様の移り気により使われなくなった哀れなPC
    • 役割:スマホからのトリガーを中継し、スマートコンセントを制御する
  3. スマートプラグ
    • 出自:ご主人様がいつか使うだろうと購入したが、使い道がなく、開封すらされていない哀れなガジェット
    • 役割:サーバーからの要請を受け、消毒装置の電源をOn/Offする

自動化処理の流れをポンチ絵にかくとこんな感じです。

それでは作業を始めましょう。

まずは上記ポンチ絵の②③を担当するスマホのアプリを作ります。
スマホは段ボールの扉に取り付けることで、扉の開閉角度=スマホの角度となります。スマホの回転角は簡単に取得できるので、それを用いて開閉センサを実装します。
つぎに、マスク投入~消毒開始~終了~取り出しまでの一連の運用フローをサポートする説明画面を追加し、最後にサーバーにON/OFFリクエストを投げる処理を追加します。

続いて上記ポンチ絵④を担当するサーバーアプリを作ります。
本当はスマホから直接スマートプラグを制御したかったのですが、私が購入したスマートプラグはHS105という商品で、AlexaやGoogleHomeなども対応していますが、最も簡単な制御方法はNode.jsのAPIを使うものでした。
そのため、これを利用するためだけの中継サーバーアプリを実装します。

出来上がったものはこちら。
実際にマスクを入れて消毒が終わるまでを動画に撮影してみました。

マスク自動消毒装置のデモ

そうですね、名前は、、、試作2号機「おひさまのかおりRR-R」。です。
え?RR-Rってなにって?
私もわかりません。でも、なんか格好よいでしょう?。

さて、実際に使ってみると、

いままでは手動で
電源ON→キッチンタイマーをセット→キッチンタイマー終了後、タイマーを停止→電源OFF
していたものが全自動になりました!

うれぴー(死語)。
あまりにうれしくて何度でも消毒したくなります。
「使ったマスクはいねぇが~」とうめき声を発しながら家の中を徘徊したくなります。
なまはげの気持ちが生まれて初めて実感できた一瞬でした。

・・・

チャンチャン

とここで筆を置こうかとおもったのですが、

この装置でおひさまの香りを嗅いだり、段ボールの扉を開け閉めしているとき、ふと思いついたのです。。。(第二章へ続く)

第二章:そうだ、僕たちはどこへでも行ける!

目を閉じてお日様の香りをかいでいると、お日様のやさしい光が降り注ぐ海や山にいるような感覚に陥ることに気付きました。
(嗅覚は海馬とつながっているといいます。漂う香りから、記憶の奥底に潜む情景をフラッシュバックさせてくれるのでしょう)

そうか、この段ボール箱はひょっとして、世界のどこへでも連れて行ってくれる魔法の扉、どこでもドアなのではなかろうかと。

というわけで延長戦、パパっとどこでもドアを作ってみることにしました。

基本的には消毒装置と同じ装置を流用しますが、今回は段ボール箱の中に映像を映す必要があるので、外付けモニタを追加しました。

では改めて、利用するアイテムはこちら。

  1. スマホ
    • 出自:壊れていないのに、ご主人様の移り気により使われなくなった哀れなスマホ
    • 役割:目的地を選択できるようにし、サーバーに目的地を伝える
  2. サーバー(クライアント)
    • 出自:壊れていないのに、ご主人様の移り気により使われなくなった哀れなPC
    • 役割:スマホから要求された目的地のライブカメラ映像を表示する
  3. 外付け液晶モニター
    • 出自:ご主人様の在宅勤務環境向上のため4Kモニターが導入されて以来、壊れてもいないのに使われなくなった液晶モニター
    • 役割:段ボールの底面に配し、目的地の景色を表示する

全体の流れをポンチ絵にかくとこんな感じです。

作成するのは目的地を利用者に選択してもらうためのアプリと、その要求に合わせてライブカメラの動画を組み込んだページを送出し、それをブラウザで表示するためのサーバー、クライアントアプリ。それを外付けの液晶モニタを介して、利用者が景色を堪能するという仕組みになります。

できあがったものはこちら

どこでもドアアプリ動作デモ

せっかくなので、愛車(バイク)も一緒にドアの中に入ってもらいました。

さて、実際に使ってみると、

お・・・おお・・・お・・・
と、まるでコミック「神の雫」遠峰一青のようなコメントが魂のそこから湧き上がってきます。

扉を開けるという一つの所作を追加しただけなのですが、その扉という物理的な概念が現実(リアル)と虚構(バーチャル)を結びつける、とても良い要素として機能しています。

こちらは沖縄の海岸でございます(脳内再生)

「お、、、おお、、、素晴らしい、、、」

こちらはサンタモニカの海岸でございます(脳内再生)

「お、、、おお、、、真っ暗ではないか、、、」

夜でございます(脳内再生)

・・・

せっかくなのでちょっとしたイースターエッグを仕込んでみました。
アプリ画面中、何もない空間を3回タップすると。。。。宇宙にいけるのです!

宇宙にも行けるよ

そうだ、僕たちはどこへでも行ける!

愛車と景色を肴に酒をあおりながら、次々と世界の扉を開き、そして夜は更けてゆくのであった。

あとがき

紫外線を使ったコロナウイルス不活化する方法(ライトの強さ、距離、照射時間など)についてはリンク先のサイトが参考になりますが、まだエビデンスが確定している段階とは言えない状況とのことです。
ですので、本装置の作成、運用についてはあくまで自己責任において行っているものとご理解ください。
また、UVCは人体に与える影響も大きいため、もし、活用を検討されている場合には運用に留意をお願いいたします。

それでは皆様、ハッピーWithコロナライフを

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TakematsuKatsuhiro

2000年ソニー株式会社入社。VAIOノートブック/サイバーショット/Xperia等様々なモバイルプロダクトのソフトウェア開発に従事する。その後はIoTを活用したサービス企画/開発/運営に従事。2019年にクウジット入社後は空実ディレクター/エンジニアとして、機械学習,データ分析プロジェクトの開発を担当する。テクノロジーで空と実をむすぶべく日々格闘中。オラわくわくすっぞ!

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