飲んだら測れ。測ったら飲め。

注: この記事には、筆者のお見苦しい姿が多々含まれています。
寛容かつ強い気持ちでご覧頂ける方のみ、お進み下さい。


TokyoZ読者の皆様、はじめまして。

石井と申します。

突然ですが皆さん。

年始といえば、そう、新年会ですよね。

新年会シーズンです。

この時期、ちょっと賑やかな街に出ると、

道の端っこで壁や電柱と向かい合ったまま、

必死の形相をしている人々を

よく見かけることかと思います。

彼らのこんな真剣な顔、他ではそうそう見られません。

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上図はイメージです。

彼らはなぜ、見苦しいと分かっていながらに

そのような状態になってしまうのか。

こんな楽しそうな街で、一体どうして。

原因はただひとつ。

そう、酒です。

全ては酒の力なのです。

しかし、飲んでいる当の本人は

限界値に達するギリギリまで、

決まってこう言います。

「大丈夫大丈夫、俺、酔ってないから。」

うそをつけ。

うそをつけ。

そう言いながら飲んだその液体は何だ。

そのひとことの後で、

これまで私がどれだけひどい目にあったと思っているのだ。

だいたい彼らは(以下、恨み事が続くので省略します)


すみません、つい熱くなってしまいました。

つまり言いたかったのは、

酒を飲んでいる本人に、酔っているかどうかと聞いても

まるでアテにならない、と言う事です。

では人は、どうやって人の酔っぱらい具合を

「客観的」かつ「定量的」に数値化するか。

そこで、

今回ご用意致しましたアイテムがこちら!

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アルコール計測器ー。(例のダミ声で読もう)


検問とかで使われるアレみたいなもんです。

ちょっとだけマトモに説明すると、

この装置、

PocketDuino“という、

Arduinoピン互換の開発ボードを使っており、

アルコールセンサーと繋いで

Android端末やPCに直接、

センサーの情報を取り込めるのです。

アルコールの検出状況は

逐次モニタリングされており、

濃度が高いと数値が跳ね上がります。

分かりやすいですね。

なお、アルコールセンサー部分の構造は、以下のとおり。

alcohol_sensor

このセンサーは、アルコールセンサーの中でも

「半導体式」という方式を用いています。

  • センサー部(スズ酸化膜)を温めると、周囲の酸素量に応じて抵抗値が変化する。
  • アルコールが吸着されると、相対的に酸素量が少なくなる。(=抵抗値が変化する)

といった仕組みを使い、

酸素の量を手がかりに、間接的にアルコールを検出するのです。

alcohol_sensor_mechanism

絵にしてみると、だいたいこんな感じらしい。

安価である、というところが

この方式の最大のメリットなのですが、

「アルコール以外のガス(還元性ガス)でも反応がある」とか

「経年変化してしまう」などの弱点もあるので

精密な検出をしたいケースでは

『電気化学式(燃料電池式)』

という方式のセンサー(高い)を用いる事が多いようですね。


で、これを、

謎の技術で次々と装置を生み出す

弊社 岩波がある日、

「面白そうだから組んでみました」

と、持参しましてですね。

作ったら当然使いたい。

検問ごっこしたい。

どこか使えるトコロはないか、と

その機会を虎視眈々を伺っていたのですよ。

そこに、先のブログで紹介させて頂いた、

弊社新メンバー 小野の参入。

すなわち、歓迎会の開催。

乗るしか無い。このビッグウェーブに。


…というわけで、弊社の一部メンバーは

歓迎会とは別の目的も、というか

歓迎会とは別の目的で頭がいっぱい、というか

とにかく色々と胸に抱きつつ

会場へと足を運んだのです。

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こんな感じのお店でした。

今回実験してみるのは、

「酒を飲み続けると、センサーの反応はどう変わっていくのか」

という、極めてシンプルなもの。

なぜなら、あまり複雑なものにすると、

実験関係者が全員酔っ払ったらジ・エンド

だからです。

そんなわけで店に入るなり、

乾杯そっちのけで機材のセッティングをするメンバー達。

やらかす気まんまんです。

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実際のお酒で動作確認。

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これが通常状態の数値。

ほうっておくと、400後半くらいに落ち着いてきます。

そんなこんなで

店の人にも怒られずにセッティングできたので、

まずは乾杯。


◆第一ラウンド: ビール


懇親会の1杯目といえば、

そう、ビ―ルです。とりあえずビール。

何を差し置いてもビール。

よく「この一杯のために生きている」という人がいますが、

それはさすがに言い過ぎじゃないですかね。

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みんなの人気者。

というわけで、

注いで乾杯したら・・・飲む。

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あくまで実験ですからね。

ヒャッハー!この世は極楽だぜーー!

そしてすかさず測定。

傍から見たら、完全に多重人格者です。

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青く光っているのがセンサー。息を吹きかけています。

結果は…おっ、しっかり反応しています。

通常時500〜600前後だった数値が、

測定した途端に800くらいに。

まだ一杯目でこの状態。

逆に言えば、本人に自覚が無くとも、

確実にアルコールは検出される、と言う事ですね。

…。

もっと飲んだらどうなるのでしょう。

その答えの為には、

飲まねばなりませんよね。

実験だし、仕方ないから飲もう。

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たぶんまだ足りません。もっと飲まなくちゃ。

あくまで仕方なく。

いやあ、困ったなあ。

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プハー。

なんか楽しくなってきました。

実験も忘れてはいけません。

すっかり体にアルコールを取り込んだところで、

もう一度測定!

結果、少し数値が増え、800台後半くらいになりました。

明らかに、呼気のアルコール濃度が上がっているのですかね。


◆第二ラウンド:紹興酒


もしかすると、酒の種類を変えることで

なにか変化が訪れるのかも知れません。

仕方ないので、

新たなお酒にご登場いただきましょう。

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そう、この重厚な輝きは、

みんな大好き紹興酒。

アルコール度数は14〜18度。

相手に取って不足はありません。

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まるで、自らの墓穴を掘るかのように

次々と紹興酒を注いでいく石井。

入念な準備を終えたところで、

実験再開です。

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俺達の戦いは始まったばかりだぜーー!

なおここで撮影上のアクシデントが発生し、

ちょうど、同時にやってきた

石井大好物の水餃子に食い付きすぎて

自身の写真撮影がおろそかになってしまいましたので、

代わりと言ってはなんですが、紹興酒を愉しむ

弊社 井原の姿をお楽しみ下さい。

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先ほどから写真の奥の方に映り込み、ひたすら料理を貪っていた彼です。

その間、石井も実際は、

水餃子を食べながら先ほどのビール以上に飲んでいます。

徐々に何をしているのだか忘れつつありますが、

あまり気にするほどではありません。

大丈夫、俺、酔ってないから。

ここで恒例の測定タイム。

結果は…

一気に900代後半に突入!

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さあ盛り上がってまいりました。(主に、酔い的な意味で)


◆最終ラウンド:菊正宗


とうとう来ました。日本酒。

アルコール度数は約15。

先ほどの紹興酒と数値的には

それほど変わりませんが、

紹興酒は飽きt

もとい

単にアルコールの度数だけが変化の要因なのか。

もしくは銘柄によっても変わってくるのか。

様々な環境での実験が必要だと思ったのですよ。

ええ。そうです。

辛口やや淡麗ですからね。

そうと決まれば

摂取するところから始めねばなりません。

歓迎会も結構後半となっていますが、

張り切って実験してみましょう。

おっとっとっと。

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ウェーーッハッハッハ。たまんねぇなオイ。

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なんかもう、なんで飲んでるんだか

わからなくdなdってきtwせdrftgyふじこlp;

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メガネメガネ。イヒヒヒヒ。


ーーー 15分後 ーーー


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石井は眠っていた。

しかしながら、

これは神聖なる実験。

モルモットに安らぎなどありません。

メンバーにたたき起こされ、

起き抜けの一杯を飲んだ後で最後の挑戦。

結果は…

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来ました990!!!

残念ながら、その後どうあがいても

1,000は越えませんでしたが、

かなりの高スコアをマークしたようです。

1,000って言えばそもそも、

急遽、データが取れる状態にして投入した

今回の計測器ですが、

990って…なに…?(゚д゚)

そう疑問に思ったのも束の間、

ふたたび強い眠気に襲われ、

石井は静かにその動きを止めるのでした。

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戦いを終えた石井は、ビンを抱きしめ、安らかに眠る。

なお、

石井がこの実験の1時間ほどあと、

電柱に向かってかがみ込み、

普段は決して見られないような

必死の形相をしていた事は

言うまでもありません。

次の面白そうなセンサーと共に、またお会いしましょう。

石井でした。

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