こんにちは。研究活動や製品開発時のパートナーでお困りではありませんか?
私たちクウジットはスマートフォンアプリ、サーバソフトなどを手掛けている会社です。
もともとはGPSの電波が届かない屋内などでも、WiFi無線を利用して位置情報を知らせる技術を扱っている会社でした。なんと今ではハードウェアにもちょっと手を出すようになっています。
例えばこれは、東京国立博物館の常設展示室に置かれている無線電波を使ったビーコンのプロトタイプ。
対応するスマートフォンでアプリを起動して博物館の部屋に入ると、その部屋の展示に関連した動画が自動的に再生される仕組みになっているわけですが、これは基板から発信される部屋情報を弊社アプリがキャッチしています。ちょうど部屋へ入るタイミングでその部屋の信号がキャッチできるような仕組みを作っているわけです。
昔から無線電波を扱っていたクウジットですが、最近はBluetooth Low Energyがマイブームとなり、BLEモジュールを搭載したCPUボードも作ってしまいました。
さて、クウジットの創業者はソニーコンピューターサイエンス研究所(ソニーCSL)出身のため、CSLの研究者と協力するプロジェクトもあるわけです。
例えば、CSLに在籍している研究者の遠藤謙氏は義足の研究を行っています。彼は、身体に貢献できる技術の発展にはまだまだ大きな可能性があると信じ、米国MITで博士課程を終えた後も、日本で義足の研究を続けています。
2020年に東京でパラリンピックが開催されますが、彼はそれに向けXiborgという会社を計3名の方々と設立し、日本のトップクラスのアスリートとともに日本生まれの競技用義足の開発をおこなっています。(Xiborg : http://xiborg.jp/home/)
明確な目的に向かって真摯に取り組んでいる彼の活動を、パートナーとして技術協力しています。
遠藤 謙氏(ソニーCSL/Xiborg)の義足研究活動 at TEDxTokyo2014
前出のCPUボードには、加速度、ジャイロ、方位角センサーが搭載されていて、これを選手の足に装着して頂いています。そうすることでピッチと呼ばれる、走ってる時の足の降り出し頻度を計算し、そのデータをスマートフォンで表示してフィードバックを得る。そんな作業をしているわけです。
ボードに搭載されているマイコンはARM製のCortex M4Fを使用しているため、単精度の浮動小数点演算が可能となっており、センサーから取得した値をその場でフィルタリングすることもできるんです。
このボードは数か月に渡り、プロトタイプ開発をしながら最終的にこのような形態に仕上がりました。ファームウェアは、実はArduino互換となっていて、USBポートからプログラムを書き込みすることも可能となっています。
CPUボードは他の場所でも利用されております。遠藤氏は競技用義足に限らずの他の義足の研究活動もされており、そこで利用する際に必要となる接続インタフェースを持った拡張ボードの開発をクウジットが行っていたりします。これは週二回の間隔でCSLへお邪魔しながら、遠藤氏と研究におけるニーズをみることができ、研究活動に合った開発をすることができた結果です。
実はCPUボードは今後発売していこうとクウジットで模索中ですので、ご興味あれば是非ご一報下さい!(…弊社Q.boardの製品ページから 一番下に連絡先があります)
ハードウェアの作成はまだまだ駆け出しではありますが、こういった事ができるようになったのも、IoTブームになりつつあるのも、単品や小ロットで部品購入できたり、設計ソフトが手軽に利用できるようになって、試作を繰り返すコストが下がったからでしょうか。そういった時代に感謝です。
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- スポーツセンサーボード開発してみた - 12月 10, 2014