笑顔を笑顔以外で再現してみた

はじめましてインターン兼アルバイトとしてKoozytにお邪魔している、産業技術大学院大学の浅沼 栞です。

今回Koozytの大きなテーマでもある「 笑顔やハピネス 」について取り組ませて頂きました。

そこで私が掲げた大きなテーマは、“ インターネットを介して笑顔を伝える ” です。

問題提起                                      

何故このテーマに取り組もうと思ったのか。それは、インターネットも普及し働き方も多様化した現代において、家族や友人・恋人など側に居たいと想っている人と、必ずしも近くで生活ができる環境ではないな。と考えたところから始まります。

物思いに耽る

インターネットでどこにいても誰とでも繋がれる時代。メールや電話で昔よりは相手に想いを伝えやすくなった。電話をしていて笑い合えると相手を身近に感じることもできる。それでもやっぱり、直接会って話す時よりは距離を感じてしまう。そんなことはないでしょうか?

「 相手をもっと身近に感じられたなら。離れていても笑い合えたなら。」

そう、ここで問題なのは距離感ですよね。この距離感はどうすればなくなるのでしょう。

そこで今回こんなコンセプトを立ててみました。

コンセプト                                     

「 笑い合えたらここにいる 」

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これは、ひとは笑い合えたときに相手の存在を身近に感じるのでは?という仮説を元に立てたコンセプトです。

では、どうやって笑顔を再現するのか?そこでまず笑顔について考えてみましょう。

笑顔ってなんだろう                                 

みなさんは笑顔を向けられるとどんな気持ちになりますか?

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嬉しい気持ちになったり、温かい気持ちになったり、心に響くかもしれません。

笑顔にはどんなイメージがあるでしょうか?

パッと明るく弾けるイメージだったり、カラフルな絵の具のようなイメージだったり、笑顔が連鎖するように広がるイメージもあるかもしれません。

いま上げた中に、「 響く・弾ける・広がる 」という言葉が出てきました。

この言葉、何かに共通している気がしませんか?

水滴が水面に落ち、水が弾み、揺れ広がっていく。

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そう。波紋に似ていないでしょうか。

つまり笑顔を再現するのに波紋の動きが応用出来るのではないかと考えたわけです。

では実際、どんな技術を使って波紋の動きで笑顔を再現するのか考えていきましょう。

笑顔の再現                                     

ご存知の方も多いかもしれませんが、Koozytにはハピネスカウンターを使用した笑顔を可視化するシステムや、ボタンを押した分だけたすきが光るシステムがあります。

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これは笑顔が可視化出来るのはもちろんのこと、離れている相手を想った分だけ、その想いが「 光り 」となって相手に届くわけです。

今回どこにいてもインターネットを介して笑顔を届けられるよう、装着型のデバイスを想定していたので、この技術を使って笑顔を再現してみようと考えました。

笑顔が伝わるストーリー                               

それでは、より笑顔が伝わるように笑顔が再現されるシーンを考えてみましょう。

まず笑顔を届けるターゲットを「 老人ホームで暮らす高齢者の方 」としました。

家族が笑顔になるとおばあちゃんにもその周りの人にも笑顔が連鎖していくようなストーリーを考えました。

笑顔循環

この繰り返しで離れていても笑顔が伝わり、どんどん笑顔が連鎖していくのではないかと考えました。

LEDの光り方                                    

おばあちゃんの家族が笑った時とおばあちゃんに笑顔が届いた時の光り方です。

イメージ

笑顔が届く歩く波紋

実際に制作した光り方です。

LED

                                          

おばあちゃんの近くにいる人や、おばあちゃんの家族の近くにいる人に連鎖する光り方です。

( 笑顔が広がり連鎖して、近くにいる人に反射して笑顔が返ってくるようなイメージ )

イメージ

笑顔の連鎖2

実際に制作した光り方です。

LED2

                                          

おばあちゃんや家族を中心に、近づけば近づく程連鎖が強くなります。

イメージ

笑顔の伝染

実際に制作した光り方です。(おばあちゃんから少し離れた場所にいる人の光り方)

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おばあちゃんが笑い返して、離れていても笑い合えた時の光り方です。

イメージ

伝え手側も連鎖2

実際に制作した光り方です。(笑顔の模様)

LED3

                                          

ところでどうゆう仕組みで光っているの?と思った方の為に解説です。

今回チュータとしてご協力頂いたcomoさんに解説して頂きました。

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このようにProcessingで光パターン動画をつくりPCと繋いでLEDを光らせています。

Processingでの光パターン動画のつくり方はこのようになっています。

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これはつまり、MOVをつくるだけでLEDが光っちゃうんです!凄いですよね。

それでは、このLEDをどうやって身につけるのか考えてみましょう。

身につけ方                                     

今回「 老人ホームで暮らす高齢者の方 」をターゲットにしたので、高齢者の方でも身につけやすいものを考えました。

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それでは、笑顔を検知するにはどうすればいいでしょう?

笑顔を検知する方法                                 

・笑い声

・表情( 顔の動き )

・体温

で検知できる気がしました。実験・検証はまだですが…

今回のメインは光らせ方なんです。と小声で言ってみます。

これからまだまだ取り組める点があるので楽しみですね。

と私情を挟みましたが、本題に戻り。

先ほど上げた身につけ方の中から1つ例に取って、波紋を模したLEDと掛け合わせるとどうなるのか考えてみました。

提案                                        

そこで、マスクと波紋を模したLEDを掛け合わせてみたいと思います。

その前に、皆さんマスクはどんな時につけますか?

大半の方は風邪を周りの人に感染させない為や、花粉症対策などマスク本来の使い方をすると思います。しかし、近年メイクをするのが面倒臭いからなど顔を隠す為に使う人も増えているんです。

このマスクの使い方、伊達マスクというんですけどご存知でしょうか?

伊達マスク自体に害はないのですが、マスクをし続けると問題が発生してくるんです。

その問題とは、表情が見えないことです。

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表情が見えないことってそんなに問題なの?と思った方もいると思います。

人に顔を見られたくない等の要因から、顔を隠す為にマスクをつけます。

そうすると、笑う必要がないので無表情になり笑顔になり辛くなっていきます。

そうするとまた顔を隠したくなってマスクをする。

この悪循環、学術的な研究はまだまだこれからなのですが、マスク依存症というものに繋がるんです。マスク依存症になってしまうと表情が見えないので、コミュニケーションにも弊害が出てしまいます。

そこで今回考えた、インターネットを介しての笑顔の伝え方(波紋を模したLED)とマスクを使うとこんなことができると思いました。

LED  × マスク                                   

Ripple

半透明の笑顔になれるマスク

Ripple

このマスクは、笑顔が届いたときにLEDが波紋を模した光りを放つことによって笑い合える効果はそのままに、自分の表情も薄く見えているので笑顔に自信のない人でも、光りで補正されるため笑顔に自信を持つ事ができ、コミュニケーションも円滑に図れるのではないかと考えました。

みなさんもRippleで笑顔を広げてみませんか?

おまけとして実際にマスクを光らせてみました。

LEDマスク

うん。ゆでだこにしか見えませんね。LEDのカタチは改良しなければなりませんね。

成果物発表会                                    

ということで今回「 インターネットを介して笑顔を伝える 」伝え方を提案をさせて頂きました。

成果発表会で頂いた意見などから今後検証すべき点は、

・波紋を模した光り方で本当に笑顔が伝わるか

・色味は何がよいのか(たこに見えるのはまずいですよね)

・今回考えた笑顔が伝わるストリーのように笑顔が連鎖していくか

・何を光らせたらよいのか

・身につけることにどこまでこだわるか

・自動だけじゃなくて手動でも光らせることができたらどうか

などが上げられました。これらの点を今後重点的に実験・検証していきたいと思います。

それでは最後まで読んで頂き、このような機会を頂きましてありがとうございました。

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チュータのcomoさん(左)と私(右)

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Shiori Asanuma

インターン兼アルバイトの産業技術大学院大学の浅沼です。

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