スタンプラリーの経路をクラスター解析してみた

ARマーケティングツールGnGで過去に行ったスタンプラリーの経路をクラスター解析してみました。
参加者の経路がうまくグループに分けられるかどうか…

下図は何県でしょうか?

stampgraph_map_400

スタンプラリーの各地点の参加者の分布

正解は宮城県です。

図の白丸はスタンプラリーのスタンプが置かれた地点、青い棒グラフはその地点でスタンプを押した参加者数です。

3ヶ月にわたって行われた合計39個のスタンプラリーへの参加者数は861人、スタンプの総数は3257個でした。
スタンプラリーで参加者が集めたスタンプの最大個数は39個中24個とすごいです。
スタンプラリーの経路をクラスター解析したいので、スタンプのある39個の地点から次の地点への遷移を39×39のマトリクスで表現しました。

クラスター解析は西本絵梨子さまのRubyのライブラリを利用させて頂きました。
このライブラリに必要なNArray、NArrayに必要なDevKitもインストールしました。

今回は2個以上のスタンプを集めた504人の参加者をクラスター解析しました。
クラスター解析で分けられた5つのグループの参加者数は、グループ0:402人、グループ1:55人、グループ2:25人、グループ3:20人、グループ4:2人です。
グループ0はうまく分けられなかった残りの参加者なので、それ以外のグループの経路をマッピングしてみると下記のようになりました。

矢印はスタンプを押した地点から次のスタンプを押した地点への遷移、矢印の太さは遷移の人数の多さを表現しています。

group1グループ1:中心部西進

group2グループ2:中心部東進

group3グループ3:北部東西移動

group4グループ4:東部南北移動

グループ1とグループ2は宮城県の中心部の周辺のスタンプを集めたグループです。
グループ1は仙台駅からあおば通駅の遷移、グループ2はあおば通駅から仙台駅への遷移が特徴です。
いずれも東北地方最大の都市である仙台市の代表駅であり、仙台駅は最大のスタンプ数、仙石線でひと駅のあおば通駅も2番目のスタンプ数で、これらの駅を移動してスタンプを押した人が多かったようです。
なお、遷移をクラスター解析したために、あおば通駅から仙台駅へ移動したグループ1と、仙台駅からあおば通駅に移動したグループ2に分離されています。
グループ3は宮城県の北部を中心に東西にスタンプを集めたグループで、古川駅から鳴子温泉駅への遷移を中心に、陸羽東線から石巻線や気仙沼線へ移動しています。
グループ4は宮城県の東部を中心に南北にスタンプを集めたグループで、北は気仙沼駅から気仙沼線を下って、石巻線から東北本線へと移動しています。

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1983年キヤノン株式会社入社。エキスパートシステムなど人工知能の研究開発。1990年株式会社ソニー木原研究所入社。CG・VR・AR・感情認識の研究開発、およびメディアアートへの応用。2000年ソニー株式会社転籍。Feelwareプロジェクトなどで、感情認識やウェアラブル・バイオセンシングの研究開発。2010年クウジット株式会社入社。「つながり」に関するリサーチからセールスまでがミッション。人と人のつながりによる共感や幸福の評価、データとデータのつながりを解明するデータ解析などが仕事です。幸福学とデータ解析を結び付けた健康経営の実践支援サービスにも関わっています。