[中目黒・正覚寺] 5/6(土) 「エミー&ゼニーの世界を体験しよう!」ワークショップを開催しました!

タイトル:[中目黒・正覚寺] 5/6(土) 「エミー&ゼニーの世界を体験しよう!」ワークショップを開催しました!

皆さま、こんにちは!すっかり初夏の陽気となってきましたね。

以前ブログでも告知させて頂きました通り、5/6(土)に中目黒の正覚寺にて「エミー&ゼニーの世界を体験しよう!」ワークショップが開催されました。

今回はその様子を、本ワークショップ初参加となる、空実shiawase研究員の田場が参加者目線からレポート致します♪

「人を幸せにするおカネを感じるワークショップ」について

さて、まずワークショップが開催された経緯は以下の通りとなっています。※過去記事より引用

2010年代に入り、リーマンショックや「カジノ資本主義」的アルゴリズム株式取引に代表される、行き過ぎた金融グローバリゼーションに各所で反省の機運が生じています。またローカルに生きる人々を幸せにつなぐ地域活性化を目指し、日本各地で地域通貨流通の取り組みが新たになされています。慶應SDMイノベーティブデザインセンターでは、このような、地域の幸福度を向上させる通貨創造に関する関心の高まりを背景に2015年夏から「人を幸せにするおカネ」を創る地域通貨の仕組みについて研究を進めてきました。

本ワークショップは、慶應SDMイノベーティブデザインセンターにおける研究の一環として開発されました。ワークショップでは、「エミー」と「ゼニー」という二種類のおカネを体験することによる、参加者の幸福度、並びにありがとうの気持ちを表す笑顔度の向上にどのように寄与するのか計測し、研究の前進及び社会への成果還元を目指しています。

本ワークショップは、参加者がグループワープを通して、仮想経済の中での「おカネ」と「幸せ」の関連性について実体験として気づきを得るためのワークショップとなっています。上記の慶應SDMとクウジットとの共同研究の一環で活動が続けられ、現在も学術研究が続いているとのことです。

今回は中目黒の正覚寺にて、寺社フェス「向源」イベントにおけるコンテンツとして本ワークショップを提供・開催させて頂きました!

「向源」イベントにて頂いたパンフレットとリストバンド・チケット。

他にも様々なコンテンツがあって盛り上がっていました♪

ワークショップの内容については以下の通りとなっています。※過去記事より引用

このワークショップでは、会場全体を1つの商店街と見立てた2つのゲームを行います。1つは普段私たちが生活している資本主義の利益追及「もうけ最大化の行動原理」の世界。もう1つは(現在私たちが使っている)お金・通貨の代わりに感謝の気持ちを流通させる、「ありがとう最大化の行動原理」の世界。私たちは、それぞれの経済圏とおカネ(人の信用価値を測るもの、広義の通貨)を「ゼニー」と「エミー」と表現しています。

ルールは簡単。全体を6つの店舗に分け、それぞれの店舗には1種類ずつ商材を渡します。同じ商材を持つ店舗が2店舗ずつ。つまり商材の種類は3つです。3種類の商材を集めると納品することが出き、外貨を稼ぐことができる、というものです。

今回の納品物は「桃太郎プレート」。商材は、「サル」「キジ」「イヌ」の3つです。それぞれ、赤・青・黄・緑・紫・白のチームに分かれてゲームを行なっていきます。

「ゼニ―」セッションではお金儲けを最優先に考え、「エミー」セッションでは感謝する・されることを最優先に考えて仮想の商売活動をしていくということですね。

ゲーム形式で、参加者が主体となって互いに働きかけていくワークショップとなっています。

正覚寺での開催ということで、講師の末吉さん()・江上さん()はじめ開催メンバは全員和服姿でのお出迎え。

正覚寺の美しい日本庭園を眺めながらのワークショップ開催となりました。天気にも恵まれ、最高の環境でした!

イベントの様子♪

◆「ゼニ―」セッションの様子◆

さて、まずは「ゼニ―」セッションから開始です。上記の通り、お金を稼ぐことのみを意識して商売活動をしていきましょう、というルールとなっています。5・6人ごとに編成された各チームが、それぞれ1つの商店街として商品の仕入れ・製造・販売(納品)活動を行っていきます。

お金を多く稼ぐことを考えるので、他の商店街よりも多く集客する事なども考慮しつつ活動しなければなりません。

まずは「どういう方法でお金を稼ぐか?」をチームメンバーと作戦会議を行い、方針を固めてから活動開始となります。

作戦会議中の参加者の皆さん。皆さん眼差しもやや真剣。

作戦が固まったら、他の商店街や番頭(銀行)へ商談を持ち込んでいきます。「この商材をいくらで売るか」「他のチームに勝つためにはどう差別化をすればよいか」「どう交渉すればお金を集めることができるか」、私のチームをはじめ、それぞれのチームが主にお金の計算をしながら活動していました。

「ゼニ―」セッションでのやり取りの様子。

商品が出来上がったら、番頭さん(銀行)へ納品していきます。

◆「エミー」セッションの様子◆

さて、お次は「エミー」セッションの実施です。今度は感謝する・される、感謝のつながりを最大化することを目的として商売をしていく、というルールとなっています。

もちろん、基本的なルールは変わっていません(それぞれのチームが商店街として商品の仕入れ・製造・販売活動を行う)ので、自分達の利益をひたすら追い求めた「ゼニー」セッションとは異なり、他の商店街と親密なコミュニケーションが必要となります。

作戦会議中の一場面。笑顔が素敵です。

「ありがとう・感謝のつながりを最大化???」と最初はとまどいもあった参加者も、要は相手のため、商店街全体のため、地域のため、公のために商売しろということね!ということで、「ゼニ―」セッションの時とは打って変わって、「どうすれば他の商店街とwin-winになれるか」「どうすれば相手に喜んでもらえるか」「他の商店街にやってほしいことがあるけれど、どうすればお願いできるか」ということを意識しながら活動を進めていました。先ほどまではお金の数字ばかり意識していたのが、人の心を意識しながらの活動となったためか笑顔が多く見られました。

皆さん、ニコニコですね。

肩もみなんてユニークなサービスをしている方もいらっしゃいました!わ…私もしてほしかった~!

「ゼニ―」「エミー」セッションを終えての振り返り

さて、「ゼニ―」「エミー」セッションを終え参加者で振り返りを行いましたが…「エミー」セッションの方が、穏やかで楽しかったという意見が出ました(笑)。

私としても、「ゼニ―」セッションは「他のチームよりも稼ぐぞ」という競争心による興奮状態が続き、お金のことばかり考えていたからか他のチームとの交渉内容もあまり記憶に残っていません。ところが「エミー」セッションでは、人の心を考え、感謝する・されるという居心地の良さのなか穏やかな気持ちだったからか、人との交渉内容をはっきりと覚えています。参加者の中にいらっしゃったお坊さんにありがたいお言葉を頂いたり、絵の上手な人にちょっぴりユニークな絵を描いて貰ったり…こうして思い出しながらレポートを書いている間にも気づいたのですが、「ゼニ―」に比べて「エミー」セッションの方が、交渉相手との関係性や記憶が鮮やかに残っていることに気づきました。また、一度感謝する・される関係性を持てた相手とは、その後も何度か一緒に作業させて頂けることができました。

ですがその一方、参加者の中には「ゼニ―セッションはいつもの仕事と近い感覚で行動しやすかったが、エミーセッションは感謝と商売がどう繋がるか想像し難く、戸惑った」との意見を持った方もいました。「エミー」セッションでも「ゼニ―」セッションと同じように商売は成立していましたが、確かに「エミー」セッションでは直感的な活動が難しく、終了時まで少しモヤモヤした感覚をお持ちの方も少なくなかったようです。

お金を稼ぐための「ゼニ―」の思考と、感謝で信頼関係を繋ぐ「エミー」の思考。

双方の思考をバランスよく持って活動することが、持続的な経済活動に繋がるカギになるのかもしれません。

感謝のつながりで協創された仮想経済の中での商品。ユーモアがあって可愛いです。

以上、気づきの多かった「エミー&ゼニーの世界を体験しよう!」ワークショップのレポートでした♪

参加者の皆さま、正覚寺はじめ関係者の皆さま、ありがとうございました。

本ワークショップ、大好評につき(大変ありがたいことに!)今後も多数の開催が決まっております。

都度ブログでも告知していきますので、気になる方はぜひ足を運んでみてください♪

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以下、「エミー&ゼニーの世界を体験しよう!」ワークショップ関連記事です。

【慶應SDM 前野隆司先生のブログ】

愕然のワークショップ報告。人は制度により180度変容する。「金」か「ありがとう」か。

【慶應SDM 保井俊之先生の秋田での関連イベントの紹介記事】

ホームレス大学生と地方移住者に聞く、幸福な生き方−秋田

【主催者クウジットのブログ】

エミー&ゼニーの世界を体験しよう!〜人を幸せにするおカネを感じるワークショップ〜@ 3×3Lab Futureが開催

おカネのワークショップ ~東京大手町FINOLAB編~ 慶應SDMxクウジット共同研究ふりかえり

【講師 江上広行のブログ】

JUST MONEY! 「おカネ」のことについて、これまでの人生で一番じっくり考える1日

※ 「人を幸せにするおカネ」ワークショップのコンセプトおよびフォーマットは、慶應SDM、およびクウジット株式会社との共同研究の一環によって、開発されたもので、現在も学術研究が続いています。 ※ 「人を幸せにするおカネ」ワークショップ研究は、クウジット株式会社が提供するKART顔画像認識ソリューション、およびソニー株式会社が開発した顔画像認識技術を利用しています。

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田場

空実shiawase研究員の田場です。慶應SDM研究員つながりで、幸福学xテクノロジーxエンタテインメントをテーマに研究活動をしています。